アポキル錠の犬の副作用 – 非ステロイドの強み

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[最終更新日]2018/11/17[公開日]2016/10/27

今まで、犬のアトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎の治療に使用されていたのは、ステロイド製剤やシクロスポリン製剤などでした。

ステロイド製剤は即効性や高い有効性、低価格といった利点がありましたが、反面、副作用も問題視されていて、飼い主の中にはステロイド製剤の使用に恐怖意識を持つ方もいたそうです。

アポキル錠ならステロイド問題を解決!

シクロスポリン製剤は利点として、犬アトピー性皮膚炎に対する高い有効性と高い安全性が挙げられますが、効果発現に時間がかかること、適応範囲が犬アトピー性皮膚炎に限定されていること、カプセル剤であり投与がしにくいことなどが問題とされていました。

アポキル錠はそんな問題点を解決してくれる全く新しい種類の薬として、2016年7月に発売が開始されたばかりの薬です。

アポキル錠は、ある特定のサイトカイン(細胞間の情報伝達物質)の作用を抑えることで、痒み刺激と炎症反応を軽減してくれます。

それによって痒みサイクル(痒み発生→舐める・掻く・擦る→炎症→更なる痒み)の悪循環が断ち切られ、治療の促進へと繋がっていくのです。

臨床試験においてもアポキル錠は高い評価

欧州で行われた犬のアトピー性皮膚炎の臨床試験において、ステロイド製剤でみられる副作用はアポキル錠群では低頻度であることが確認されています。

また、国内臨床試験においてもアポキル錠は犬アトピー性皮膚炎に対して、シクロスポリン製剤と比べて高い忍容性があることが確認されています。

アポキル錠の長期投与時の安全性についても確認されており、アポキル錠を最長630日間投与した臨床試験において、安全かつ有効であり、患犬の生活の質の改善に貢献したことが示されています。

副作用の割合は非常に少ない数値

現在、アポキル錠の副作用として確認されている症状は、消化管障害で下痢、皮膚および付属器障害でマラセチア感染症、神経学的障害で眠気が挙げられます。

死亡例や重篤な有害事象は国内臨床試験でも観察されておらず、長期臨床試験中に認められた有害事象についても、無治療あるいは対症療法にて改善しており、休薬が必要であった事象は、嘔吐を示した10.1%中の一部に対してのみだったと報告されています。

何分、アポキル錠は発売されたばかりの新薬のため、情報がまだ出揃っていない感は否めません。

ですが長年、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎に苦しんでいた愛犬達にとって、アポキル錠が新たな希望の光となることは、ほぼ間違いがないのではないでしょうか。

従来、治療に使用されていたどの薬よりも即効性があり、それが確かな安全性をも伴っているとはっきり証明される日が来るのが、待ち遠しいです。


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